不動産を売却するにあたり、不動産会社の査定を受けることは必須です。査定額は売主が売り出し価格を決定するための指標にもなりますが、わざと高額な査定額を提示して物件を預かろうとする不動産会社も見られるため十分にご注意ください。
MOKUJI
高預かりとは、意図的に売れるはずもない高額な査定額を提示して物件を預かる不動産会社の行為を指します。不動産会社が高額な査定額を提示する理由は「ここなら高額で売れる」と思ってもらうことで、売主と媒介契約を締結するためです。媒介契約は、不動産会社からすれば仲介手数料を受領するための第一歩。高預かりは、売主の利益以上に不動産会社の利益を優先する行為といえるでしょう。
高預かりされてしまった物件は、相場を大きく上回る金額で市場に出ることになります。購入検討者は、相場や条件が類似した物件の売り出し価格などを見て価格の妥当性を判断するため、高すぎる金額に拒否感や嫌悪感を抱かせることにもなってしまいかねません。
とくに近年は、購入検討者自らが不動産ポータルサイトなどで物件探しをする時代のため「相場価格から大きく乖離している」という事実は記憶に残りやすく、後から値下げをしたとしても不審がられてしまうおそれがあります。
不動産は、売り出し当初が最も注目度が高い時期。妥当な金額で売り出せるかどうかは、売却のスピードや金額を左右します。
高額な査定であっても、そこに妥当性があれば問題ありません。避けなければならないのは「高額なだけ」の査定です。査定の妥当性を精査するため、不動産会社に査定依頼をする際には次の点に留意しましょう。
査定額以上に見るべきなのは、査定の「根拠」です。たとえば「同じマンションのこの部屋が半年前にこの金額で売れたから……」「駅からの距離や築年数が同程度の物件が成約に至った平均平米単価がこれくらいだから……」という理由があり、妥当性が感じられるものであれば、高額と思われる査定にも納得できるでしょう。
こうした説明がなかった場合は、根拠を聞くことも大切です。「なぜこの査定額になったのでしょうか」「他社より査定額が高いのはなぜですか」など具体的な質問をぶつけてみましょう。
不動産会社の「自信」から査定額が高くなるケースもあります。たとえば「そのエリアで土地の売却に特化してきた不動産会社」と「広くさまざまな物件種別を扱っている不動産会社」の土地の査定額に差が出たとしても不思議ではありません。
そういった意味では、査定額の根拠だけでなく、その不動産会社の実績を見せてもらうことも大切になってくるでしょう。
「売り方」一つで、不動産が売れるスピードや金額には差が出るものです。査定結果を聞くときは、査定額やその根拠に加え、どのように売っていくつもりなのかも聞いてみましょう。
たとえば、不動産会社が買い取るつもりで算出される査定額と一般的な方法で売却することを前提とした査定額には2〜3割の差が生じます。他にも「ターゲットになると考えられる層」「アプローチ方法」「予想売却期間」などもヒアリングし、査定額の妥当性を見極めましょう。
高預かりという悪しき慣習が撲滅されることが一番ですが、残念ながら日本の不動産市場にはいまだこうした商慣習が残ってしまっています。不動産という高額な資産を売る方は「自衛」の意識を持つことも大切です。
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