不動産の「一括査定サイト」とは、Web上で、複数の不動産会社に対して一括で査定依頼ができるサービスを指します。不動産を売るうえでは、複数社の査定額や市況の見立て、販売戦略などを比較する意義は大きいため、一括査定サイトは一定の利用価値があるといえるでしょう。ただ一方で、一括査定サイトを活用することで思わぬ落とし穴にはまってしまうおそれもあるため注意しなければなりません。
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一括査定サイトの利用料は無料です。では一括査定サイトはどうやって収益を出しているのかというと、登録する不動産会社から費用を徴収しています。金額はサイトによりますが、査定依頼の申込み1件につき、数万円の費用が発生します。
一括査定サイトには「少しでも高く売るために複数社に査定依頼を」「一括査定サイトで高い営業力の不動産会社が見つかる」といった謳い文句がありますが、一括査定サイトは不動産会社に査定依頼を流しているだけですので、掲載されている不動産会社の営業力や信頼度がとりわけ高いというわけではありません。
一括査定サイトを利用して3社に査定依頼をして、上記のような査定額が提示された場合「A社にお願いしたい」と考える方が多いかもしれません。しかし、一括査定を利用すると「高預かり」をする不動産会社に出会いやすくなるため注意が必要です。
「高預かり」とは、わざと売れるはずもない高額な査定額を提示して、物件を預かる不動産会社です。
査定額とはいえ、高額な金額が出れば多くの売主は「こんなに高く売れるんだ!」と喜びます。しかし、査定額は、あくまで不動産会社が「この金額で売れるだろう」と予測する金額にすぎません。不動産は、査定額が高ければ高く売れるというものではないため、査定額の高さで不動産会社を選ぶのは危険です。
一括査定サイトを活用するだけでは、不動産会社の営業力や信頼度などは見極められません。査定額以上に聞くべきなのは、査定の根拠です。その根拠に納得できなければ、高額査定は意味を持ちません。
また、不動産会社は自社サイトで売却実績や強み、売却にかける思いなどを公開しているものです。一括査定サイトだけでなく、不動産会社が独自に発信している情報をチェックしてみると良いでしょう。
一括査定サイトは、査定前の工程の時短になる便利なサービスです。その存在を否定するわけではありませんが、一括査定サイトからすれば「お客様」は不動産会社。多くの不動産会社に査定依頼が行くようなサイト構成になっているということは、あらかじめ認識しておきましょう。
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