不動産は売主が価格を決めたうえで売り出しますが、売り出し価格のまま成約にいたるとは限りません。購入の申込みが入る際には「値引き交渉」されることも多く、売り出し価格から一定程度、減額した金額で成約になることも少なくありません。
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不動産の購入を決めた方は、売主に対して「購入申込書」や「買い付け証明書」と呼ばれる書類を提出します。これは購入の意思を示すもので、この書類の提出をもって売買が決まるわけではありません。
購入申込書には購入希望金額が記載されますが、この金額は売り出し価格とは限りません。売り出し価格より低い金額であれば、値引きを希望しているということです。金額や条件面に双方が納得して初めて、契約の運びとなります。
値引き交渉幅は、売り出し価格や購入希望者の予算などによるため一概にはいえませんが、交渉額は売り出し価格の5%前後になるのが一般的です。
また「端数落とし」の値引き交渉も多く見られます。端数落としとは、たとえば「2,980万円」で売り出されている物件を「2,900万円」としたり、「3,120万円」の物件を「3,000万円」とするなど、下2桁や3桁の端数を落とすことを指します。
「値引き交渉には応じたくない」というのが、すべての売主の共通の認識でしょう。もちろん、値引き交渉に応じるも応じないも売主次第ではありますが、交渉に応じたほうがスムーズに売却できることは確かです。
とはいえ、売却を始めてからの期間や値引き幅にもよるところでしょう。たとえば、売却を始めて間もない時期で、問い合わせも内覧希望もたくさん来ている中、大幅な値引き交渉に応じる必要はないでしょう。一方で、半年以上にわたって売却を続けていて、ほとんど問い合わせがない中で許容範囲の値引き交渉をされた場合は、前向きに検討したほうがいいかもしれません。
買主の値引き交渉が許容できないときは、こちらから再交渉することも可能です。たとえば、100万円の値引きを希望されたとしても、全額の値引きには応じず「50万円なら値引きできる」などと回答することもできます。
100万円の値引きを交渉してくる購入希望者が、必ずしも値引きをしなければ買ってくれないとは限りません。中には「値引きしてくれたら嬉しい」程度に考えている希望者もいます。判断が難しいところですが、相手の状況や意向を探りながら、お互いが譲歩できるラインを見定めることが大切です。
値引き交渉されることは決して少なくありません。売り出し価格を決める際に、値引き交渉があることを考慮し、少し高めの金額で売り出すというのも一つの戦略です。
ただし、高すぎる金額で売り出せば、選択肢にも入れてもらえないことにもなりかねません。希望する金額や売却期間を踏まえつつ、市況や不動産会社による査定額、そして値下げ交渉の可能性も考慮しながら、慎重に売り出し価格を設定する必要があります。
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